株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:谷澤 淳一)は「社内賞2023」の受賞作品を決定しました。本賞は、企画力・デザイン力・技術力の一層の向上と、当社ブランドに寄与する優れたプロジェクトの表彰制度として、2001年の会社設立以来23回目の実施となります。
「社内賞2023」では、社内審査員に加え、外部審査員に原田 真宏 氏(芝浦工業大学教授、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO共同主宰)、倉渕 隆 氏(東京理科大学教授、同副学長、公益社団法人空気調和・衛生工学会会長)を迎え、作品賞6件(うち最優秀作品賞2件、優秀作品賞2件、作品賞2件)、環境・技術賞2件(うち最優秀環境・技術賞1件、優秀環境・技術賞1件)をはじめ、当社の業務領域の拡張に伴う新設賞を含む9カテゴリにて表彰しました。
【各賞の主旨】
作品賞:
各職能技術の協働の成果という観点から、その企画力、創造力、デザイン力、構造設計、設備設計、コストマネジメント、工事監理など各職能技術およびランドスケープや環境共生などによる社会への貢献度などを総合的に評価し、優れた作品を表彰するもの。
環境・技術賞:
地球環境への寄与に積極的に取り組んだ、建築・設備(又はそれらの融合によるもの)・公園や緑地などの都市環境・まちなみ、災害時の事業継続計画(BCP)への先進的な取り組み、保存技術・リニューアル技術・技術書・当社主体の発想により取りまとめたエンジニアリングにかかる要素技術・システム・論文、などを表彰するもの。
コンサルティング賞:
昨今の社会状況の中でその重要性が一層増しつつあるコンサルティング業務において、プロジェクトを達成へと導く業務改善に寄与した、または社会的に認められた優れた技術・提案を表彰するもの。
プロジェクトマネジメント賞:
成果物としての作品だけでなく、つくられていくプロセスに重点を置き、デザイン・技術・品質に対して前向きに取り組んだ優れたマネジメント事例を表彰するもの。
+EMOTION 賞:
当社のブランド価値である「総合設計力」「都市への洞察力」「本質と品質の追求」に加え、新しい価値を生み出す取り組みが特に顕著であったものを表彰するもの。
業績賞:
コンペ・プロポーザルで選定された作品のほか、コンサル業務としての成果や業務改善に寄与した技術のうち、優れた業績を表彰するもの。
コンペ・プロポーザル賞:
コンペ・プロポーザルにて選定されたもののうち、社会的な意義を問う優れた提案など、当社のプレゼンスや業績に寄与するものを表彰するもの。
社員選賞:
一次審査を通過した作品賞、環境・技術賞について社員投票により決定・表彰するもの。
受賞プロジェクトのご紹介
[最優秀作品賞]田町タワー
都心駅前の歴史と地理の要所に建つ「田町タワー」。複層する外観からは、半屋外空間「ウインターガーデン」をはじめ、コミュニケーションの創誘発の様子が垣間見られます。こうした施策によりワークプレイスの魅力とともに、働く人びとのウェル・ビーイングの向上を図り、外装フィンによる日射遮蔽や自然換気などのパッシブな仕組みで持続可能性にも配慮するなど、多様な側面から「次代のオフィス・スタンダード」を追求しました。屋外広場の立体的な整備、地域貢献機能の強化など、総合設計で街区全体の機能を向上させ、地域のまちづくりに貢献します。
構造や設備を組み合わせた総合力で複雑な与条件を解き切り、半屋外空間機能や自然通風導入のあり方など、将来のテナントオフィスビルとワークプレイスの新たな類型を創出した提案であると評価されました。
[最優秀作品賞]
3rd MINAMI AOYAMA
東京を代表する目抜き通り・青山通りに面する商業地域と、その背後に広がる住宅地域の境界に建つテナントオフィスビル。敷地内に小路やポケットパークを設けて表通りからひとを引き込み、二面性あるエリアに高い回遊性をもたらす「まちづくり」としてのビルを目指しました。ファサードを特徴づけるアウター・インナーバルコニーをはじめ、さまざまに使える場所を設けて多様な働き方を可能に。従業員の交流やエンゲージメントを高めるワークプレイスをつくり出しています。
事業上の与条件の解題に留まらず、設計者側から世界観を組み立て、従来のオフィスビル設計のロジックを超えた構成とすることで、さまざまな人びとが滞在・回遊できる、地域のための場所を生み出していることが評価されました。
[優秀作品賞、社員選賞] MUFG PARK(Library & Landscape)
Landscape
70年以上にわたり保全されてきた豊かな木々が残る銀行保有地を、一般開放するプロジェクト。現地調査のもと、樹木に影響を与えない施設・園路を計画し、地下水の還元と植物の育成促進に考慮して雨水をすべて地中に浸透させるなど環境の継承に取り組みました。敷地外周に設けた歩道をはじめ、地域住民の生活と密接した多様な機能整備を行うことで、人びとがこの貴重な自然に親しみを感じ、楽しみながら皆で継承できる場づくりを目指しました。
Library
人びとの交流を促す施設として、「MUFG PARK」内に地域住民の寄贈図書から構成されるライブラリを設計しました。本を介したコミュニティの深まりを図書の集積として可視化する高さ4m・全長約40mの「森の本棚」に大きな屋根をかける構成です。人びとが憩う縁側空間をつくり出す屋根により、環境配慮として日射を遮りZeb Ready取得を実現。「みんなで育てるライブラリ」として、現在、地域コミュニティによる多様なイベントが開かれています。 環境保全や地域との関係性を重視したランドスケープの構成と、小規模な建築ながら端正なディテールやコンセプチュアルな表現において意匠・構造・設備などの高度な融合が見られるライブラリとの間には不可分な関係性が築かれ、当社の「総合設計事務所」としてのありようが完成度高く表出していると評価されました。
[優秀作品賞][プレゼンター賞] 福岡銀行南小倉支店
環境配慮型の銀行店舗が求められた建て替えプロジェクト。外気熱負荷の高い外周部に非空調やバック諸室を配置した「重ね着」状の平面を構成。彫りの深い開口で建物内部への日射の直達を防ぐなど、パッシブな手法により環境負荷を低減し、Nearly ZEBを取得しました。近年、S造が主流の銀行建築をRC造(外周を耐震要素)とすることで意匠と構造を一体化し、内部ではMEC Industryが製造する型枠材兼仕上材「MIデッキ」を導入。社会の木質化への要請に応え、ぬくもりと開放感のある空間を演出すると同時に、鉄の価格高騰や工事遅延リスクを避ける計画となっています。RC躯体を外装仕上とし、街並みに特徴を与える素朴ながら豪快な外観を実現しました。
制約の高い敷地・周辺環境・ビルディングタイプのもと、コストを抑えながらも「デザイン思考」を超えたアプローチで建築表現と環境配慮の高度な融合を図り、クライアントの理解を得ながら作品として昇華させるに至った点が評価されました。
[作品賞] 新菱冷熱工業イノベーションハブ本館
ひとの「感じる力」を刺激し、自ら働く「FeELD(Feel+Field)」を選べることをテーマとした、新菱冷熱工業の新たな施設です。ABW(Activity Based Working/仕事に応じて場所を選ぶ働き方)の選択肢に、光・空調環境も加えた「ABW+e(environment)」を提案。さまざまな環境がグラデ―ション状につながる多彩な「場」から居場所を見つけることができます。
「スマートウェルネスラボ」を追求し、省エネ性の面では『ZEB』、快適性の面ではCASBEEウェルネスオフィスSランクと、各側面での最高評価を獲得。グランドルーフ(大屋根)による日射遮蔽で大開口を実現、半屋外空間を設けるなど、環境配慮型施設の一般解を超えて快適性の向上との両立に取り組んでいること、施工段階にいたるまでの「フルBIM」プロジェクトであるなど、新たな試みに挑み、高い完成度を達成した点が評価されました。
[作品賞] The Grand Outlet - East Jakarta
急速な経済発展を遂げるインドネシアでのアウトレットモールの設計プロジェクト。日本各地に豊富なアウトレットの設計経験を有する当社と、東南アジアの業務ノウハウを持つ当社の現地法人である三菱地所設計アジア(MJDA)の強みを組み合わせ、プロジェクトの川上から施工後のサポートまで一連の取り組みを展開しました。熱帯の厳しい気候ながら、環境シミュレーションやコンピューテーショナルデザインにより、木漏れ日のような表情を見せるガラスの屋根などを用いた快適な半屋外型の商業空間を実現。国内・現地の連携で、「Shopping in Nature」というコンセプトのもと、高度なデザイン品質をかたちにしました。
設計ナレッジを輸出するだけでなく、高い効果のもとで「半屋外空間の有効利用」という現地にはなかったソリューションを示しました。今後の当地域における展開が期待されるプロジェクトであると評価されました。
[最優秀環境・技術賞]
新・タスク&アンビエント空調システム 『ZEB』のその先へ
新たに開発した「新・タスク&アンビエント空調システム」とは、温度ムラが少ない床放射空調と、センサーで得た人の位置情報をもとに床下に放熱した空気を吹き出す床吹出空調を組み合わせ、局所的な空調環境をつくり出すもの。季節の移り変わりや人の活動推移を考慮し、時間の概念を組み込んだ本空調制御は「新菱冷熱工業イノベーションハブ本館」(作品賞)の『ZEB』取得に貢献しました。しかし『ZEB』を通過点として、その先にあるカーボンニュートラル(CN)を達成するには、建設時に生じるCO2の削減などの多様な課題の超克も必要です。本技術は、その実現に快適性の追求との両輪で貢献します。
従来の手法にリバーシブルファンとデジタル制御を組み合わせる「ありそうでなかった」本システムは、小規模な取り組みながら、建物全体の省エネルギー化に大きな効果を与えます。
CN達成を射程に入れてエンボディード・カーボンのありようにまで踏み込んだ構想が評価されました。
[優秀環境・技術賞]
超高層オフィスビルに適用した新しい高効率芯棒型制振システム(田町タワー)
「田町タワー」(最優秀作品賞)への導入のために開発・特許取得した新しい制振構造システム。低層部の建物コア(芯棒)をSRC造の連層耐震壁でつくり、上部を除いて周辺の鉄骨フレームから構造を分離します。芯棒下部はすべり支承で支えられているので、地震時には周辺のフレームがしなやかに変形する一方、芯棒自体は剛体のまま横滑りします。上部を連結しているため、芯棒と周辺のフレームの変形差は地下で最大化するので、ここにダンパーを集中配置すれば、従来(ビル全体に分散配置)の1/8程度の数量ながら同等の耐震性能を確保することができます。
ダンパーの削減でオフィスの有効面積が増え、SRC造の芯棒が使用鉄骨量を削減して建設コストや建設時排出CO2を縮減します。
従来、困難とされていた超高層オフィスビルの免振に対する、安価かつ汎用性の高い新手法として、同ビルディングタイプへの長年にわたる豊富な設計実績を有する当社の技術的蓄積の成果であると評価されました。
[プレゼンター賞] 辻調理師専門学校 東京
住宅街と大学キャンパスの境界に位置する調理師専門学校。敷地の周辺環境に溶け込み、また建物内にも周囲の緑を溶け込ませることを考え、歴史を重ねてきた桜並木の保存やそれに呼応する外観デザインとし、内部は建物の分節や開口部の工夫でどこにいても自然が感じられる空間としました。建物の内部は扉や壁による境界をできるだけなくし、教職員と学生、学生同士がいつでも意見を交わし、刺激し合える開放的な空間に。レストランの厨房や製菓の工房さながらの実習室では、学生が将来の職場をイメージしながら学ぶことができます。
教育のための空間として、技術の研鑽はもちろん、社会への広い視野を育てられる場づくりを目指したプロジェクトとして、学校施設の計画を介して地域とのかかわり方に対する視座を示していること、効率的な厨房・教室エリアのゾーニング整理によって、快適性と省エネ性を両立していることが評価されました。
[コンサルティング賞]
地域社会に密着したい想いを受け取った、「バリューアップ型のライフサイクルCM」業務
城南信用金庫が保有する築40年を超える資産(金融店舗・社員寮)の、持続可能な方法でのバリューアップを目指したプロジェクト。建物用途と仕様を再構築(金融店舗は余剰スペースをカフェに、社員寮はシェアハウス/オフィス等に変更)し、地域に賑わいをもたらしました。また、地域の企業を大切にする同社の強い想いを受け止め、地域企業を含めた体制構築や工事関係者の業務効率化の実現を支援。
今回実施したライフサイクル期間全体の価値を底上げするマネジメントは、建物用途や規模、老朽化の度合い等に応じて多様なプロジェクトで展開されることが期待されています。
[プロジェクトマネジメント賞]
(仮称)京都城陽プレミアム・アウトレット基盤整備工事 設計監理業務
発注者とともに、地権者対応を含む土地区画整理事業の取りまとめに汗をかき、計画地内の高圧送電線移設といった土地利用計画上の幾多の課題をクリアしながら開発許認可を取得。近隣対策や周辺道路工事との調整など、工事中のさまざまな困難にも工事監理者として粘り強く対応していったプロジェクト。
長期におよぶ計画を通じ、全てのメンバーが一丸となり、顧客満足度の向上を最優先に掲げたプロジェクトマネジメントに取り組み、大規模な造成や公共施設の整備を伴う基盤整備工事を竣工へと導きました。
(作図:三菱地所設計)
[プロジェクトマネジメント賞] (仮称)富山ホテル計画CM業務
富山駅前におけるホテル建設プロジェクト。発注者にとっては初となる外資系ホテルの運営委託にあたって、当社は三菱地所の協力のもと、ホテルブランドを選定。また、ボリュームチェックから基本計画、予算策定、設計施工者・各種コンサルタントの選定、各段階におけるCM業務やコスト・工程の調整までにいたる一連のマネジメント業務を実施しました。
ホテルの設計経験が豊富なチームが設計施工者を細やかにサポートし、2023年1月に「ダブルツリー by ヒルトン富山」として開業を迎えました。発注者・ホテルの双方から高い評価を得ることのできたプロジェクトです。
[プロジェクトマネジメント賞] モリタグループ新拠点開発プロジェクト
消防車や防災関連製品の製造販売等を行う事業者の新研究開発拠点「モリタATI(Advanced Technical Innovation)センター」。産官学連携により多様なイノベーションを創出・促進する核となる建築を目指しました。日本最大級の総合実験場、消防・救助活動での新技術実証に用いるタワー棟、共創スペースを持つラボ棟からなる拠点づくりでは、「研究開発の広がりを後押しする場」を研究者とともに考えました。昨今の建設費高騰をはじめとする社会情勢に対してマネジメント力を存分に発揮した、各関係者の安心・安全な社会づくりへの想いがこもったプロジェクトです。
[+EMOTION賞]
SMS:Seamless Mobility System 都市×建築×人をつなぐ新たな「移動」の提案
未来を見据えたスマートシティ化や新たなモビリティの提案が求められる中、当社が提案する「SMS:Seamless Mobility System」。これは、都市空間の移動において生じる「スキマ」を埋め、誰もが都市空間をより自由に・立体的に体験できることを目指したシステムです。多様なタイプのモビリティでシームレスな移動を実現し、都市・建築・ひと、の境界が融解した新たな社会基盤を実現する……という「設計事務所発の」アイデアをまとめたブックレットは、業界内や他業種からも反響を呼びました。一部モデルの意匠登録や、実機プロトタイプ作成のほか、都市だけでなく地域の社会課題にも向き合い、さらなる提案の高度化と展開を目指しています。
[+EMOTION賞]
4D Marunouchi 3つの世代の『丸ビル』をメタバースで体験
1890年の創業以来、当社が130年以上にわたり継承してきた古図面・古写真資料。ここに残る歴史的な建築や都市をメタバースで体感できる『4D Marunouchi』を開発しました。関東大震災(1923年)の前後と2002年に建て替えられた今日の姿という3世代にわたる「丸ビル」が建つ丸の内を、時間を飛び越えて巡ります。オンラインゲーム「Fortnite」から誰もが簡単にアクセスできる「開かれたアーカイブ」は、資料保存の取り組みに加え、まちの変遷やその魅力を広く伝えます。デジタルツインへの展開やユーザーとの交流を通じ、リアルとデジタルが重なる未来を見据えたプロジェクトです。
[+EMOTION賞] 世界各地の食品廃棄物を用いた茶室 ベネチ庵・アラビ庵
2023年のヴェネチア・ビエンナーレとドバイ・デザインウィークで発表した、世界初となる「食品廃棄物を構造体に用いた」茶室の連作です。グローバルに展開する共通の仕組みとして、各地の緯度に基づく日射操作で快適な空間をつくる形態生成アルゴリズムを構築。同時に、当地の特色ある食品廃棄物から建材を精製し(樹脂等と混成しない)、自然由来の防水材料とともに「土に還る」パビリオンです。小材からなる一連の建材はスーツケースに収まり、自主運搬・自主施工により輸送時のCO2も削減。「グローバルとローカル」「資源の循環性」に対するアプローチです。
[+EMOTION賞] 三菱地所東南アジア拠点設立に伴う包括的デザインサポート
東南アジアに展開する三菱地所の各拠点のインテリアデザインを手がけてきた三菱地所設計アジア(MJDA)。「日本と現地文化の融合」をテーマに、日本ならではの品質を空間で体現してきたオフィスシリーズに、三菱地所タイ(在バンコク)が加わりました。MJDAは「現地のポストコロナの働き方」、「三菱地所タイが手掛けた同国最高層ビル『One City Centre』のショールームを兼ねる」という新たなオフィス像に応えたインテリアデザインに加え、施工者選定、コスト・現場の調整など、地域で蓄積してきたノウハウを生かした包括的サポートを実施。当社グループの海外展開と高い競争力を示したプロジェクトです。
[業績賞]
(仮称)交通局跡地ホテル棟新築工事設計監理業務(シェラトン鹿児島) ※一連の業績として
鹿児島市交通局跡地で進められてきた複合再開発プロジェクト「キラメキテラス」。本開発において、当社は、「キラメキ南国パーキング」「キラメキエネルギーセンター」、「キラメキテラスヘルスケアホスピタル」「いまきいれ総合病院」(2020年)、「キラメキ南国ビル」(2023年)の設計監理等を担ってきました。
同じく当社設計のホテル棟が竣工し、2023年5月の全面開業に合わせて県下初の外資系シティホテル「シェラトン鹿児島」がオープン。医療連携や熱源集約によるエネルギーマネジメントが行われている「キラメキテラス」はコンパクトシティの先駆けとして注目され、ホテル機能は地元観光産業の発展や雇用創出への寄与が期待されています。
[業績賞]
2023年度「省エネ大賞 経済産業大臣賞」受賞 ─高砂熱学イノベーションセンター
当社の環境設計の高い専門性を活かしたプロジェクト「高砂熱学イノベーションセンター」(茨城県つくばみらい市)。地下水・太陽光発電・バイオマス発電機・大容量蓄電池の実装など、再生可能エネルギーを最大限活用したカーボンニュートラルを先導しながら、ユーザーの快適性を追求した施設として、竣工以来、国内外で多数の環境関連賞を受賞してきました。2024年1月には当社初の「省エネ大賞」の最優秀賞に該当する「経済産業大臣賞(業務分野)」を受賞。これら受賞や関連論文発表、雑誌掲載等を通じ、当社の高い技術力・コラボレーション力を紹介しています。
[その他の社内賞ノミネートプロジェクト]
ENEOSマルチモビリティステーション
マイクロモビリティのシェアサービス拡充を目指すプロジェクト。超高齢化社会に向けた対応として「ちょっとした距離」の移動を支えるマイクロモビリティは、脱炭素社会へのシフトを見据えると、その電動化もまた重要です。社会を変える新技術を浸透させるショーケースの役割を持つ施設として、オープンな構成で地域コミュニケーションの核となることを目指して設計しました。木材(CLT)活用によるCO2固定化も実現。モビリティの電動化と同様、施設自体が社会課題への取り組みをアピールするものとなっています。将来のエネルギー政策に対する展開性のあるプロジェクトです。
NAKAMICHI ATSUSHI
ショーボンド建設北日本支店
同社の新しい働き方を実現する環境づくりを目指した、設計監理とプロジェクトマネジメント(PM)の取り組み。建物中央を貫く吹き抜けの周囲に展開するオフィスに、木質材やタイルなど手触り感ある内装材をちりばめ、開放感のもと社員交流を促進しました。方位特性を活かしたパッシブな省エネ手法や設備機器の設置計画を全館で実施。高い快適性のもと、高汎用技術を組み合わせて『ZEB』取得を達成しました。施工期間の社会情勢・コスト変動のリスク管理を重視したPMを経て、限られた時間内で竣工した、環境配慮型の中規模オフィスのモデルプロジェクトです。
大阪駅地区地域冷暖房施設の拡大とHEAT DXの導入
脱炭素社会の実現に向けて注目される地域冷暖房。当社は、大阪エネルギーサービスとともに、大阪駅地区において最高水準の効率を誇る地域冷暖房施設(DHC)プラントの設計と、最適運転・保守を追求してきました。今日、その一層の展開のため、DHCを取り巻く多様な社会課題(省エネ追求、技術者不足など)の解決に向けて取り組んでいるのがAIによる運転支援と保守管理のDX化です。
この一連の取り組みを体系化した『HEAT DX』の実証実験を開始。今後のサービス展開により、環境・経済の両面からの社会貢献を目指します。「再生可能エネルギーによる電力の大規模送電網への導入」という今後の重点課題を見据えたデマンド・レスポンス・サービスの提供を目指す提案です。
第2プラント