株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:谷澤 淳一)は、当社が開発した「MELRemo-IPS」が、第21回環境・設備デザイン賞(主催:一般社団法人建築設備綜合協会)にて最優秀賞を受賞したことをお知らせいたします。「MELRemo-IPS」は、既存のビル用マルチ空調機を利用して人の位置・温度環境を表示するシステムとして、さまざまな運用・展開が期待されるシステムです(共同実証:三菱電機株式会社)。
「新しい働き方」の課題を、いまあるオフィス環境と新開発技術で解決
今日、働き方改革やワークプレイス再構築で広がりを見せるのがABW(Activity Based Working/仕事の内容に応じ、ワーカーが効率的な業務のために、どの場所が最適かを自ら選ぶ働き方)です。これは「場所を限定しない新たな働き方」として注目される一方、固定席がないことやリモートワークの普及などにより、ワーカーの在/不在が不明瞭である等の課題が顕在化しつつあります。
「MELRemo-IPS」は、こうしたABWオフィスの課題を解決するツールとして、① オフィスで一般的に目にするマルチ空調機を通信操作する技術と、② スマートフォン等の電波強度で位置を特定する技術、のふたつの新開発技術でワーカーの位置をリアルタイムで共有。同時に、空調機の操作で快適な環境を自分で「つくり出す」ことができます。ここから得られるデータは温度解析に限らず、ABWオフィスのコミュニケーション活性化といった改善に寄与させることができます。
MELRemo-IPSの新規性と技術的特徴
「MELRemo-IPS」は、
[新開発技術 ① ] 無線通信でビル用のマルチ空調機を操作する技術
[新開発技術 ② ] PCやスマートフォンの位置を、発される電波の強度で測量・特定する技術
のふたつの新開発技術で、ワーカーの位置を検知・共有するシステムです。既に設置されているマルチ空調機を利用できるので、新しい設備・機器を追加せず、安価に導入が可能となる点がメリットとして挙げられます。
「MELRemo-IPS」は、一般的な空調機の設置間隔(約7.2~9m)が、Bluetooth® Low Energyの通信距離(約10m)に合致する点、電波の受信位置として理想的な天井面を利用する点が高精度なシステムを成立させる技術的ポイントです。
位置検知×空調「だから」実現できること ─マルチ空調機をABWオフィスの構築に役立てる
環境・設備デザイン賞について
環境・設備デザイン賞(審査委員長:古谷誠章/早稲田大学理工学術院建築学科教授)は、建築における環境・設備技術の役割が増す今日、感性・機能性・経済性・社会性の4観点から建築と設備技術の複合を評価する賞として、建築意匠・設備、双方の分野から高い信頼を得ています。
「MELRemo-IPS」は、汎用性ある設備器具・設備機器・設備システムを対象とする「Ⅰ.設備器具・システムデザイン部門」において最優秀賞を受賞したものです。
第21回環境・設備デザイン賞における当社関連の受賞
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