NEWS RELEASE

2023.08.04

建築設計事務所から新型モビリティ提案、プロトタイプを製作

新時代の都市要素としてモビリティを考え、将来の「都市での移動」をリデザイン

株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:谷澤 淳一)は、「都市・建築・人をつなぎ合わせるツール」と位置づけた新時代のモビリティについてのアイデアをまとめたブックレット『SMS:Seamless Mobility System』を作成いたしました。今後、都市・建築の多様な提案に導入・展開し、一層の提案力の強化を目指してまいります。
また、本誌に掲載したモビリティのひとつである電動キックボードを実機(プロトタイプ)製作しました。今後、実用を可能とすべく検証・改良を図ります。

左:『SMS:Seamless Mobility System』で提案される各種モビリティ例。右:SMSによって都市・建築・人が融合される。

「都市と建築の専門家」の立場から
「新たな移動の仕組み」を「都市と建築の使い方」として考える

建築設計事務所として、国内外でさまざまな都市や大規模開発の計画、コンサルティング等を行う当社には、建築や街路といった都市のハード面への提案のみならず、スマートシティ化など急速な技術革新に基づくソフト面を含む、未来を見据えた提案が求められています。
ここで、設計事務所からの「都市をより高度化させるインフラ」として、従来の都市交通の役割を超えた「SMS」(Seamless Mobility System)を提案します。これは ①都市:まちの中を移動する都市交通 ②建築:建物内における移動手段(エレベータ等) ③人:身体拡張ツール(車いすや歩行支援ロボット等) というそれぞれの「移動」を1つに融合することで、建物内外を問わず人の移動をシームレスにし、人びとのより自由な空間利用を可能とし、都市に多様性や可変性を与えるインフラです。

『SMS』ブックレットのご入手、内容のご説明等に関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
三菱地所設計Webサイト お問い合わせフォーム https://krs.bz/mjd_cs/m/contact/

■ 『SMS:Seamless Mobility System』の掲載内容(一例)

各種モビリティの姿を描くだけではなく、「建築設計事務所からの提案」として、多様なSMSの導入で変わる「都市の姿」を描き出します。
本書で提案されるSMS。個人~少数~マストランジットまで、幅広いユーザに対応しつつ「インクルーシブな社会の実現」「垂直移動のあり方」「都市内物流」など、現代都市が抱える多様なテーマに応え、都市全体のアップデートを図ります。

■ 本ブックレットにおけるモビリティ提案事例

Pod Bus[乗員数:1~2(最大4)名] (意匠権申請中)
歩者と街路を共有できるスケールのモビリティ。建物に設置した鉛直レールにドッキングすれば、路上から高層階までシームレスに移動できます。車椅子の乗り入れも可能。インクルーシブ社会の超高層ビルのあり方への提案でもあります。
Trunkbot
特に、高齢者や長時間の歩行が困難な利用者に寄り添うモビリティ。荷物を運んだり、一時的な座椅子となることで「可能な限り、人が歩行運動することを支援・促進する」提案です。都市内物流の課題を解決する目的にも転用可能です。
Non-Stop Shuttle[乗員数:複数名~マストランジット/公共的な利用] (意匠権申請中)
既存の広域公共交通がカバーできない「歩行圏内+α」の範囲で機能する「クルージング・モビリティ」。都市内の固定ルートを巡回します。これと同様にフラットな床部のプラットフォームを有する「Mobility X Archi」(右)は、自由に移動できる「動く建築空間」。都市内の必要な場所で、必要な用途に応じて展開し、建物と接続させての利用も可能です。

「建築や公共交通との高い親和性を図る」次世代電動キックボード実機を開発・製作

一連のSMSのうち最も基本的な1人用モビリティについて、CGモデリングや3Dプリントによる実寸モックアップ検証を経て人を乗せ実走するプロトタイプを製作。継続して改良を図ります。


Scooter PM01[乗員数:1名](意匠権申請中)
現在流通する電動キックボードとは異なり、折り畳み式によるコンパクト化を徹底。公共交通機関(バス・電車など)やビル内への持ち込み・持ち運びを「傘のように」容易とすることを目指しました。収納・充電機構も極小となり、ポートの設置が容易なことから、街路や建物の廊下など、屋内外をどこでも移動の拠点にすることができます。必要なとき、必要な場所ですぐに貸出・返却可能。目的地至近までモビリティの助けを借りて移動できる点が特長です。

コンセプトデザイン。車体とハンドルを畳み、後輪をしまい込むことで薄板状に。
今回提案したSMSのひとつ、「動く建築空間」を意図した「Mobility X Archi」(意匠権申請中)は、車体横部にポートが組み込まれた「動くモビリティ・ステーション」。このように多種のモビリティを複合的に運用することでフレキシブルなサービス提供が可能に(左)。
また、収納スペースが最小化され、植栽・家具など建築の要素と組み合わせ、空間に違和感なくポート設置も可能となります(右)。

■ Scooter PM01 プロトタイプについて

3Dプリンタでのデザイン検証などを経て、コンセプト通りの薄型ボディにモーターとバッテリを搭載した、人を乗せて走行するプロトタイプを制作しました。ハンドル・ボディ等には折畳み機構を実装し「傘のような持ち運び」を可能としています。

※特定小型原動機付自転車の公道走行は道路交通法上の保安基準を満たす必要があります。本プロトタイプは現在開発中であり私有地内にて撮影しています。

■ デザインスタジオを中心とした『SMS』プロジェクトチーム

この『SMS:Seamless Mobility System』は、三菱地所設計の「ホワイトインフラ」の考え方に基づく取り組みのひとつです。


三菱地所設計 デザインスタジオについて

産業構造の変化や価値観の多様化といった今日の社会変化の中、将来を見据えた戦略策定に取り組むべく、社内のさまざまな知見を横断的に束ね、組織設計事務所の総合力として発揮する部署です。130年以上に及ぶまちづくり・建築設計のノウハウを土台に、社会環境のリサーチ・分析を通じ、創造的かつ価値を最大化するソリューションを提案。下記のようなサービスを通じ、都市規模から既存施設改修・インテリアデザインまで、既に多数のプロジェクトでそのプレゼンスを発揮、多様なクライアントの想いに応えています。

■ デザインスタジオの主なサービスメニュー

■ プロジェクト事例

本リリース掲載「Scoter PM01」プロトタイプの撮影を行った「ENEOSマルチモビリティステーション」(東京都世田谷区、2023.2竣工)は、複数の電動モビリティ等のシェアリングサービスを展開する地域拠点。デザインスタジオが設計を行いました。

以上

本件に関するお問合せ先

株式会社三菱地所設計 広報室
TEL 03-3287-5001

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