株式会社三菱地所設計(本店所在地:東京都千代⽥区丸の内、代表取締役社⻑:谷澤 淳一)は、当社デザインスタジオおよび木質建築ラボにて、建築や家具のデザインから施工までに至る、木質 3D プリントを用いた生産システム『Regenerative Wood(リジェネラティブ・ウッド)』を構築し、その3 つ目のプロトタイプと位置付けた、木質3Dプリント建築物「The Warp(ザ・ワープ)」を発表することをお知らせいたします。
「The Warp」は、日本古来の木工技術と最先端の3Dプリント技術を融合させた画期的な茶室パビリオンで、2024年11月5日~10日にドバイ(アラブ首⻑国連邦)で開催される建築やデザインのイベントDubai Design Week 2024 に初出展されます。
「The Warp」を通して体験する伝統と革新のタイムトラベル
「The Warp」は、木材加工の副産物である木粉を再利用してつくられた、1枚1枚形状が異なる約900 枚の3Dプリントパネルから構成されています。これらは、釘や金具を使わずに日本の伝統的な木工継手技術を用いて接合するため、現地で簡単に組み立て/解体でき、容易に他の場所への移設が可能です。
本展示では「日本の古き伝統から、革新の絶えない未来都市ドバイへと誘うタイムトラベル体験」をコンセプトとし、32㎡の小さな展示スペースに茶室と日本庭園を設置します。来場者は庭を通り、にじり口から茶室に入ると、有機的にねじれた曲線が広がる木質の空間に包まれます。茶人が立てたお茶を心静かに味わい、成⻑著しいドバイの都市を眺めながら、伝統と革新の融合を感じられる新しい体験を提供します。出展期間中には本茶室を設計したアーキテクトが現地に滞在するとともに、茶人による茶会や3Dプリントに関するワークショップを開催する予定です。
「資源を無駄にしない」で、都市と建築の木造・木質化を達成するために
「The Warp」は、三菱地所設計が構築した、木質3Dプリントを用いた生産システム『Regenerative Wood』(以下、本システム)の3つ目のプロトタイプとなります。
本システムは、木材ベースの3Dプリント技術を使用し資源を循環させる仕組みです。木材加工の副産物である木粉を再利用し、サステナブルで高付加価値な材料(3Dプリンタのフィラメント)に変換することにより、デザインの力で真の循環型アプローチを実現しています。本システムにより、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再生)の資源循環が可能になります。
あらゆる木材加工の工程で廃材として生じる木粉を原料に、3Dプリントの安定性を確保した独自の木質3Dプリント材料を製造。プロジェクト現場付近の木を用いて原料を輸送する際に生じるCO2排出を抑制し、3Dプリント時に出力部材の小材化を図ることで一般の物流に載せ、人の手で組み立てられるようにするなど、生産フロー全体での環境配慮を図っています。
三菱地所設計は、三菱地所グループ各社とともに、育林/伐採から製材、企画、設計、運用までをつなぐ一連の木材利用ネットワークを構築しています。当社が取り組んでいる建築や都市環境の木造・木質化の過程において生じる廃棄物を減らしていくための本システムを通して、このネットワークを強化し、より一層の木材利用を推進してまいります。
関連ニュースリリース
「木質 3D プリントを用いて資源を循環させる生産システム『Regenerative Wood』を構築」 (発信:2024年7月18日)
「The Warp」以前に製作した本システムの2つのプロトタイプをご紹介しています。
(リリース内でお知らせしている本店エントランスでの展示は終了しております。)
<展示のご案内>
The Warp
出展イベント | Dubai Design Week 2024 (www.dubaidesignweek.ae) |
イベント会期 | 2024年11月5日~10日 |
展示場所 | Dubai Design District (d3), Business Bay – Dubai, UAE |
アーキテクト: | 厚見 慶 (三菱地所設計)/クリエイティブディレクション、デザイン、製作管理 飯澤 元哉 (三菱地所設計)/ファブリケーションモデル設計 Vibha Krishna Kumar (三菱地所設計アジア)/プロジェクトマネージャー |
製作、コラボレーター: | Brule/3D プリント造形 UltiMaker/製品提供 国枝/畳製作 Aesthetix Industries/施工 Dua Photography Studio/撮影 Maria Mariko Dedousi/茶人 |
三菱地所設計のデザインスタジオについて
三菱地所設計は、三菱地所グループ各社とともに、育林/伐採から製材、企画、設計、運用までをつなぐ一連の木材利用ネットワークを構築しています。
当社が取り組んでいる建築や都市環境の木造・木質化の過程において生じる廃棄物を減らしていくためのシステム『Regenerative Wood』を通して、このネットワークを強化し、より一層の木材利用を推進してまいります。
以上