THEME 01
「独り立ちの場」としての支店勤務で「やりたい」を実現
横田:工務部から関西支店に配属後、「うめきた2期地区開発事業」(グラングリーン大阪)の監理を担当することになりました。私は関西出身で、社会人になるまでこの近くに住んでいて、1期にあたる「グランフロント大阪」ができ上がっていくのを見ていたんです。就職の面接時にも、建物ができて駅前の人の流れが様変わりするのを体感してまちづくりの凄さを知った、いつか自分もこんな大きなプロジェクトに関わってみたい、という話もしていたので、実際に2期の担当となってすごくうれしかったです。着工するタイミングから担当して、今年竣工を迎えます。ひとつの大きなプロジェクトを最初から最後まで担当できるのはすごくいい経験で、抜擢してくれた方に感謝です。
大﨑:関西支店は本店に次ぐ最大の組織ですよね。こうした体制だから「うめきた」ほどの大きなプロジェクトを動かせるんだと思うんだけど、やはり関わる人数もすごく膨大そうだね。一方で、支店と本社での働き方の違いも感じていたりするかな。
横田:そうだね。これは支店に来て感じたんだけど、関東では、当社と仕事をしたことのある施工者も比較的多くて、今まで先輩方が築かれてきた信頼関係のうえで仕事ができていたんだなって。だから現場での調整もしやすかった。実は関西では、まだまだ当社と関わりのなかった施工者もたくさんいて、ゼロから関係を構築するというケースもなくはない。
だからこそ、こちらの考え方や意図をきちんと理解してもらうためにもコミュニケーションを特に意識していましたね。もちろん、その分苦労したんだけど、結果的に、きちんと信頼関係を築きながらプロジェクトを進めていくことの大切さを学ぶことができてよかったです。
大﨑:確かに支店異動は、いわば自分自身で責任を持ち「独り立ち」するような機会かもしれないね。九州支店も小さな組織だから、スピード感を持って短い期間でいろいろなビルディングタイプも経験できる。加えて、「今これを決断しないとダメだ」「これはまだいい」みたいな設計の見通しがつけられるようになって、支店に来てから確実に仕事の幅が広がったように思います。
横田:私も関西に来てから、初めて監理主管という役割を任されました。事業者や施工者、設計者との調整や設計変更で発生するお金のやりとりまで、あらゆる業務を行い、現場で何か課題が発生した時の対応も含めて自分が前面に立って解決するような役割でした。課題に対して関係各社の思いをくみ取って妥協点を探ったりしたのも貴重な経験でしたね。実は、自分で判断ができるような責任のある立場で仕事をしてみたい、ということを会社に希望していたんです。本来、本店では今の年次でここまで責任を持たせてもらえることはなかなかないことだと思いますが、支店には自分からやりたいと言えば実現できる環境があるんだな、と。これは支店に来てよかったと思うことのひとつですね。
大﨑:自分の仕事をしっかりして信頼を築き上げていくのはどんなプロジェクトでも同じですが、特に支店で責任をもってまとめようとすると、各ステークホルダーの思惑の中でいかに着地点をみつけ、そこへ導けるかが大事だよね。私も九州支店で初めて設計主管を任せてもらい、「福岡銀行 南小倉支店」の設計の始まりから竣工までを担当したことで得た大きな学びです。結果的に、クライアントにもとても喜んでいただけて、うれしさとやりがいを肌身で感じることができました。